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福島ふるさと紀行

第三十六回 磐梯山と弘法大師 【2009年10月】
 言うまでもなく、磐梯山は福島県を代表する山の一つです。磐梯山に登ったことのある方なら、「弘法清水」という清水があるのをご存知でしょう。いつも山頂手前のこの清水で喉を潤し、山頂への最後の登りにとりかかるのですが、そういえばこの清水はなぜ「弘法清水」なのでしょうか。
 磐梯山は「火山」です。これまでに5、6回の噴火が起きたとされ、有史以降では806年と1888年の噴火が記録されています。1888年に起きた大規模な水蒸気爆発では、500人近くもの死者が出たそうです。この時の噴火によって川がせき止められ、五色沼や桧原湖などの湖沼群が形成されたこともよく知られています。
 さて、そんな磐梯山に、弘法大師がどう関わってくるのかということですが、調べてみると「手長」「足長」という夫婦の妖怪の伝説が出てきました。この妖怪、磐梯山と明神ケ岳を両足でまたぐ「足長」と、猪苗代湖の水をすくって会津にばらまくこと ができた「手長」ということで、この2人?が地域に嵐を起こしたり、作物の実りを邪魔していたというのです。
 ここで弘法大師様の登場です。
 ここで改めて弘法大師についておさらいをすると、弘法大師は真言宗の開祖。遍照金剛(へんじょうこんごう)とも呼ばれ、俗に「お大師さま」の呼び名で親しまれています。天台宗の開祖の最澄とともに平安仏教を代表する僧であり、三密とよばれる行を実践して大日如来と一体化することで現世での成仏をめざす即身成仏が可能であるとの教えを説いた方です。
 話を戻しますと、諸国行脚の途中でこの地に立ち寄った弘法大師は、「手長」「足長」によって人々が困りきっている様子を見て、「それならその妖怪に会って話をしてみよう」と、「手長」「足長」の住みかを訪ねます。  そして、「お前たちはいろいろなことができるそうだが、できないことがあるだろう」と挑発します。「自分たちにできないことはない」と挑発に乗った妖怪に、弘法大師は「それなら小さくなって壷に入ってみせろ」と言い、壷に入った「手長」「足長」を閉じ込めてしまったというわけです。
 弘法大師は「手長」「足長」の入った壷を磐梯山の山頂に埋め、「磐梯明神」を祀ったのだそうです。以来、会津はもとの明るい里に戻ったというのが伝説のあらまし。実際、弘法大師は8世紀後半から9世紀前半の方なので、磐梯山の806年の噴火はともかく、1888年の噴火以前の方であることは間違いありません。磐梯山の現在の山頂は本来五合目だったといわれます。つまり、そこから上は噴火で吹き飛んでしまったということです。となると、山頂に埋めた「手長」「足長」はどうなっているか、ちょっと疑問なのですが。
 さて、「弘法清水」です。「弘法清水」があるのは四合目と記されています。山頂まで後一息のこの場所ではいくつかの登山道が合流し、売店小屋もあります。休日ともなればいつも大勢の登山者が水を飲んだり休憩したりして過ごしています。猪苗代スキー場からの登山道を登ると、この弘法清水の少し下に「黄金清水」という清水があります。「弘法清水」より水量も多くおいしいと言う方もいます。「弘法清水」より人が少ないのは確かです。
 「弘法清水」に限らず、県内には他にも弘法大師にまつわる伝説が残っています。たとえば郡山市湖南には、弘法大師が船を作った際の削り屑を湖に捨てたところウグイになったとか、弘法大師が湖の湾口に橋を架けようとしたといった場所があります。また、石川郡石川町には「弘法ワラビ」という灰汁抜きをしなくても食べられるワラビがあるそうですが、これは旅の途中に立ち寄った弘法大師に水をあげたおばあさんに、大師がお礼に教えてくれたという伝説があるとか。
 全国各地に同様の伝説はあるようですが、山にしても里にしても土地や場所の名称のいわれを探ると、時として興味深い内容のものに出会うことがあります。


噴火跡が生々しい裏磐梯
噴火跡が生々しい
 裏磐梯




弘法清水
▲弘法清水




黄金清水
▲黄金清水




磐梯山山頂
▲磐梯山山頂


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